【致知】2018年5月号「利他に生きる」を読んでみての感想
今月の致知のテーマは「利他に生きる」でした。
- 思いやりをもつ
- 相手の利益を考える
- 人のために尽くす
人生の要諦だとわかってはいても、なかなか実現するのが難しいのがこの「利他」という言葉です。
今日はこのことについて考えてみたいと思います。
<心に残った言葉シリーズ>
まずは毎月恒例の心に残ったシリーズからです。
「TFG理事長:工藤良氏」
結局、他に尽くすということは、自分を知ることになると思っています。私は人に尽くしたことで自分の使命と存在意義を知りました。そのおかげでいま豊かな人生を送れています。(引用:同書p51)
人に尽くしたことで「使命」と「存在意義」を知ることができた…。
この言葉は、真意だと思います。
その仕事に”やりがい”を見出せるかどうかは「人の役に立てている感」をどれだけ感じられるか、にかかっていると思います。
やりがいを感じない・モチベーションが上がらないという人は、今の仕事が誰の役に立っているのかを一度考えてみるといいかもしれません。
「YKK会長CEO:吉田忠裕氏」
「善の巡環ー他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」
勝ち負けだけの世界に生きているうちは、到底大器になれません。自分だけが勝とうと思って一所懸命努力している人と、皆を勝たせようと思って一所懸命努力している人では、同じ一所懸命でもその違いは切実に感じるもの。
周囲の人がどちらを応援したくなるかは自明の利でしょう。(引用:同書p106)
皆を勝たせようと思って努力している人ほど、応援したくなる…。
これもまた真意だと思います。
世の中の人は皆「自分”が”幸せになりたい」と思って生きています。
だからこそ、自分の幸せをサポートしてくれる人には恩返しをしたくなります。
「みんなのために」と思っている人が、結局最後は一番強いんですよね。
<利他の難しさ>
利他に生きる。
言葉にするのは簡単ですが、とても難しい生き方です。
「利他」を実現するために最も大切なことって何なんでしょう。
私は「自分を満たすこと」だと思います。
自分が満たされていない状態で「人のために・みんなのために」を考えることは現実的に難しいです。
自分が腹ペコ状態で、人に食べ物を分け与えられますか?
…分け与えられないです。
たとえ無理して分け与えたとしても、心のどこかで「やってあげた感」が生まれてしまい、見返りを求めない真の利他には至りません。
人間関係、社会的地位、所得(金銭)、全てに欠乏している状態では「利他」の追求はできません。
だからこそ、人生の前半(30歳くらいまで)は「自分を満たすこと」に力を注げばいいと思います。
「往相はやがて還相に転ぜねばならぬ」(引用:同書p9)
往相(おうそう)とは自分を創る道、還相(げんそう)とは人に役立つ道のことです。
最初から還相だけに生きる人など存在しないことを覚えておきましょう。
ある程度社会的に認められて(ポジションができて)お金に余裕が出てくると、自分を喜ばせることだけをすることの惨めさ・つまらなさに気が付き始めます。
自分の好きな人と、自分の好きな場所で、自分の好きなように生きられたら、もう多くを望まなくなるわけです。
最近、私もちょっとだけ(まだまだちょっとだけですが)この気持ちがわかるようになってきました。
そうなると人はどうなるかといったら「人の役に立ちたい」という気持ちを”心の底から”思えるようになり始めます。
すると、どんどん人に求められるようになり、社会的なポジション・金銭的な余裕が雪だるま方式で膨らんできます。
だから「成功者が成功者であり続ける」のは本当です。
それはきっとこのマインドが備わっているからだと思います。
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私は20代の最初の頃、本当にお金がなくて苦労をしました。
その時には正直「致知に載っている人はなんてキレイごとを言うんだ!そんな余裕ないよ!」と思っていました。
でも、毎月致知を読み続けていく中で、そういった考え方を頭から全身で浴びていったら「そういうものだ」と当たり前に感じるようになってきて…
気がついたら同じようなことを後輩に伝えている自分がいました。
「利他に生きなければならない」
「今日から利他に生きよう」
そう思っている内は本物ではないと思います。
自分が満たされて心身ともに充足してくれば、必然的に「人の役に立ちたい」という思いが湧いてきます。
きっとその感情は、人が人である以上、”必然的”なことなんだと思います。
だから、まだその思いが湧いてこない人は、まず自分を満たすことに力を注げばいいです。
自分を信じて、自分に素直に。
そうすればきっと魅力的な人になれると思います。
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