【致知】2018年8月号「変革する」を読んでみての感想
今月の致知のテーマは「変革する」でした。
人生は変革の連続です。
今日は「変革を行う上でのポイントとは何なのか」を考えてみたいと思います。
<心に残った言葉シリーズ>
まずは毎月恒例の心に残ったシリーズからです。
「JAL技術協会会長:佐藤信博氏 × JAL元専務執行役員:太田嘉仁氏」
「利他の心、大きな愛こそが、稲森経営哲学の真髄であり、変革を実現させる要諦だろうと私は考えます。
組織としてルールを守ること、正しいことを追求していくことはもちろん大事ですが、そのために社員をがんじがらめにしてはいけない。ベースには愛情が必要で、その二つは車の両輪だと思います。」(引用:同書p18)
事業会社として戦後最大の負債総額(2兆3千億円)を抱えたJALを、わずか1年で黒字化、2年半で再上場へと導いたのが稲森和夫氏です。
その稲森氏の下、ともに変革を推し進めた両名の対談からは多くの学びがありました。
「変革をする」という気概をもつと、どうしても
- 新しいこと
- やるべきこと
- 正しいこと
に捉われがちです。
ただ実際に「変革を起こす」のは、現場で働く社員一人一人ですから、トップダウンで理想論を押し付けても変革には至りません。
まずは
①トップが惜しみのない「愛情」を注ぎ込むこと
そして
②誰よりも「本気」になって取り組んでいくこと
この2つが大切です。
すると、その姿を見た社員たちは「よーし、俺たちもがんばろうじゃないか」とスイッチが入ります。
変革は人間が起こすものですから、そのベースには「愛情」が必要であるということを学びました。
「ねぎしフードサービス社長:根岸榮治氏」
「ねぎし」の企業文化を形成している基本的な考え方に「思い八割、スキル二割」というものがあります。
ただスキルだけがあっても思いがないとお客さまの真の満足には繋がらないんです。(引用:同書p42)
牛タン、とろろ、麦飯でおなじみの「ねぎし」です。
「スキルがあっても、思いがないと真の満足には至らない」という趣旨の言葉は、致知に登場する経営者の方々が揃って口にしている言葉です。
変革を起こす上では新しい技術、最先端のサービスにこだわるのはもちろんのこと、そのサービスを支える人間の「心」をしっかり育てていかないとダメなんですね。
<変革を起こす>
こんな言葉もありました↓
「あなたの人生哲学は何ですか?」と聞いても、「私、哲学ありません」と答えが返ってくる。
ですから、僕は「人を幸せにする学問が人生哲学。その人生哲学がないというのは、あなたは何のために生きているんだ。日々惰性で生きているんだろう」と言うんです。
そういう自分の人生哲学を持たない人が多くなっているか、「ワーク・ライフ・バランス」という言葉も出てくるんでしょう?
僕は子供の頃と同じように、いまも好きなことに取り組んでいるから「ライフ」しかないですよ。(引用:同書p51)
なんだか、とても胸に刺さる言葉でした…。
変革は、一朝一夕では起こせません。
そして変革を起こすためには「情熱」が必要です。
情熱とは「みんなを幸せにしたい」という”愛情”と、「今のままではダメだ」という現状への”怒り”が合わさったものです。
他の人と同じ人生を惰性で生き、与えられた仕事をただこなしているだけの人にこの情熱は湧き上がりません。
- 何のために生きるのか、
- たった一度の人生を使って何を成し遂げるのか、
この根本部分をどれだけ明確にできるかが、変革を起こす上では大事なポイントなんだろうなと思いました。
致知を読んでいくと「すごいなぁ」と思う反面、「まだまだだなぁ」と気持ちが少し沈みます…。
良書は人を謙虚にする、というのは本当ですね。
謙虚に、誠実に、がんばっていこうと思います。