【致知】2017年11月号「一剣を持して起つ」を読んでみての感想
今月の致知のテーマは「一剣を持して起つ」でした。
「一剣」とは得意技であり、武器であり、専門です。それを持って「世に立っていこう」というのが今月のテーマです。
今日はこのことについて考えてみようと思います。
<心に残った言葉シリーズ>
まずは毎月恒例の心に残った言葉シリーズからです。
<ファンクショナルアプローチ研究所所長:横田尚哉氏 × 人材育成コンサルタント:里岡美津奈氏>
「一剣とは何か。どこかにすごい剣があって、それを探して、手に入れて立つということではないと私は思います。剣は自分の中にあるものなんですよね。それに気づかないと磨けませんし、人にためにも役立てられない。」(同書:p30(一部抜粋))
私たちはとかく「青い鳥症候群」になりがちです。
自分がまだ持っていないもの、自分がまだ行ったことのない場所にこそ、真の価値があると信じている人は多いと思います。
しかし、真の価値は今生きているこの空間の中に必ず落ちています。
自分自身と向き合うための時間を作っていきましょう。
<エス コヤマ オーナシェフ:小山進氏>
「人は皆、自分商店の店長であり、自分というブランドのデザイナー兼オーナーなんです。その商店は当然、自分で盛り上げていかなければなりません。 (引用:P54)
「自分商店」という言葉がとても印象に残りました。
そのお店にどんな商品を置くか、どんな装飾を施すか、どんな立地にして、どんな雰囲気を纏わせるか…の責任はすべて自分自身にあります。
そして、そのお店が繁盛しているのか、閑古鳥が鳴いているのかは、今に至るまでの取り組みの結果でもあります。
一剣を持すというのは「何でも屋さん」にはならないということです。
何を持って勝負していくのか。
これを明確にすることが大切だと思います。
<古川商業高:国分秀男氏 × サンリツ卓球部監督:近藤欽司氏>
「剣そのものを磨き続けることと、その剣を持つ自分自身を磨き続けることを忘れない。時代の流れの中では、いかなる名剣といえども、放っておいてはいずれ錆びてしまう。そうならないためには、やはり死ぬまで磨き続けていかなければいけないと私は思うんですよ。(引用:p68)
「栄枯盛衰は世の習い」とはよく言ったもので、どんな人物でも、どんな商品でも、変化をしなければいずれ衰退してしまいます。
「仕事におけるスキル」はもちろんのこと、年齢を重ねるにつれ「人間としての魅力」も磨いていかなければいけません。
人間としての魅力は
- 優しさ
- 思いやり
- 感謝の心
- 与える立場
によって構成されるものだと思います。
触れるものすべてを傷つけてしまう刃ではなく、時に丸みを帯びた優しい剣を作っていきたいものですね。
<”想い”こそが最強の剣>
一剣、すなわち自分の武器とは何でしょうか。
この武器とは、単なるスキルや資格、経歴などではないと思います。
本当に大切なのは「何のために〇〇をするか」という「想い」の部分です。
「ケーキを作るのも好きだけど、それ以上に誰かに喜んでいただけるのが好きだから何を頼まれても嫌じゃなかった。(引用:p52)
これはパティシエの小山進氏の言葉です。
「ケーキを作る」というのはあくまで手段であって目的ではない、この考え方こそが一剣を持している人たちの共通点だと思います。
私たちは”手段”に捉われがちです。
さまざまな資格取得に情熱を燃やす人は、まさにこの典型例だと思います。
しかし、どんな資格やスキルよりも
- 人を喜ばせたい
- 困っている人を助けたい
- 魅力(価値)を伝えたい
そういったシンプルな「想い」こそが何にも負けない一剣になり得ます。
そしてその「想い」があれば資格やスキルは必ずついてくるものです。
<仕事なんてなんでもいい>
最近は転職市場が大きく盛り上がっているようです。
しかし、仕事内容ばかりをコロコロと変えたところで、根本的な解決には至りません。
仕事はあくまで自己実現のための”手段”にすぎないからです。
「何のために仕事をするのか」
「自分は何をしている瞬間が好きなのか」
そういった根本的な”想い”を固めて、社会に貢献していくことが真の「一剣を持して起つ」の意味だと思います。
さてさて今日も頑張っていきましょう!